学校における環境衛生管理の徹底について(抄)
第1章 定期環境衛生検査
第2章 臨時環境衛生検査
第3章 日常における環境衛生(以下これを「日常点検」という。)
第1章 定期環境衛生検査
検査項目
検査回数及び検査時期
検査は、プールの使用期間中1回行う。また、C水質については、使用日数の積算が30日を超えない範囲で少なくとも1回行う。
検査事項
プール本体の衛生状態等
附属施設・設備及びその管理状況
浄化消毒設備及びその管理状況
水質
水質イオン濃度
濁度
遊離残留塩素
有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)
大腸菌群及び一般細菌
入場者の管理状況
日常の管理状況
検査方法
プール本体の衛生状態等
清潔状況及び汚染源等について調べる。その際、プールの構造等にも配慮すること。
附属施設・設備及びその管理状況
足洗い、 シャワー、 腰洗い、 洗眼・洗面、 うがい等の施設・設備及び便所(専用便所であることが望ましい。)等の使用状況及び管理状況等について調べる。
浄化消毒設備及び管理状況
プール水の塩素消毒の方法、設備及び管理状況を調べる。
プール水の浄化の方法、設備及び管理状況を調べる。
水質
水素イオン濃度、濁度、有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)及び一般細菌については、水道法第4条第2項の規定に基づく水質基準に関する省令別表の検査方法に準じて行う。
遊離残留塩素については、上水試験方法(社団法人日本水道協会)の検査方法に準じて行う。
大腸菌群については、 プール水50 を乳糖ブイヨン発酵管で48時間培養する
入場者の管理状況
入場者の管理状況について調べる。
日常の管理状況
日常検査の記録を調べる。
判定基準
プール本体の衛生状態
プール、プールサイド及び通路は、清潔でプール水を汚染する原因がないこと。
附属施設・設備の管理状況・衛生状態
足洗い、シャワー、腰洗い、洗眼・洗面、うがい等の施設・設備及び便所等は、入泳人員に対し十分な能力を有し、故障等がなく、衛生的であること。
浄化消毒設備及び管理状況
塩素剤の種類は、塩素ガス・次亜塩素酸ナトリウム液・次亜塩素酸カルシウム、塩素化イソシアヌル酸のいずれかであること。
塩素剤の注入は、連続注入式であることが望ましく、この場合塩素濃度の分布が均一になるように注入配管が配置され、安全適切な方法で使用されていること。また連続注入式でない場合であっても残留塩素濃度が均一に維持されていること。
循環浄化式の場合には、ろ材の種類、ろ過装置の容量及びその運転時間が、プール容積及び利用者数に比して十分であり、その管理が常時確実に行われていること。
浄化設備がない場合は、汚染を防止するために1週間に1回以上換水し、換水時にプールを十分清掃していること、また腰洗い槽を設置することが望ましい。
排水口及び循環水の取り入れ口の網、格子状のもの等が正常な位置にあることを確認していること。
水質
プールの原水
原水は、飲料水の基準に適合するものであることが望ましい。
水素イオン濃度
水素イオン濃度は、pH値5.8以上8.6以下であること。
濁度
濁度は、3度以下であること。
遊離残留塩素
遊離残留塩素濃度は、プールの対角線上3点以上を選び、表面及び中層の水について測定し、すべての点で0.4 /l以上であること。また、1.0r/l以下であることが望ましい。
有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)
過マンガン酸カリウム消費量は、 12r/l以下であること。
大腸菌群及び一般細菌
大腸菌群は、検出されてはならない。一般細菌数は、1 中200コロニー以下であること。
入場者の管理状況
事前にプールの衛生的な使用方法についての指導が行われていること。
事前に健康診断等により入場者の健康状態の把握が行われていること。
水泳をしようとする者には、水泳前に足を洗わせ、シャワーその他によって十分身体を清潔にさせた後、入場させていること。
用便後再び入場するときは、身体を十分に清浄できるための処置が講じられてい ること。
日常の管理状況
日常点検が確実に行われ、管理状況が良好であること。
事後措置
構造、附属施設・設備及びその管理状況が不備なときは、速やかに改善又は改造するなどの適切な措置を講ずるようにする。
消毒の方法又は設備並びに水の浄化設備又はその管理状況に欠陥があるときは、直ちに改善するなどの適切な措置を講ずるようにする。
水質が不良のときはその原因を究明し、直ちに改善を行うようにする。なお、大腸菌群が検出された場合は、塩素消毒を強化した後、再検査を行い、大腸菌群が検出されないことを確かめるようにする。
入場者の管理が不良のときは、速やかに改善するなどの適切な措置を講ずるようにする。
第2章 臨時環境衛生検査
学校においては、次のような場合、必要があるときは、必要な検査項目を行う。
伝染病又は食中毒の発生のおそれがあり、また、発生したとき。
風水害等により環境が不潔になり、又は汚染され、伝染病の発生のおそれがあるとき。
その他必要なとき。
臨時環境衛生検査は、その目的に即して必要な検査項目を設定し、その検査項目 の実施に当たっては、定期環境衛生検査に準じて行うこと。
臨時環境衛生検査の結果に基づく事後措置については、定期環境衛生検査の結果 に基づく事後措置に準じて特に迅速に行うようにする。
第3章 日常における環境衛生(以下これを「日常点検」という。)
日常点検は、 主として次の事項につき、 毎授業日に行い、 常に次のような衛生状態を保つようにすること。 また、 点検の結果改善を要すると認められる場合は、 学校薬剤師等の指導助言を得て必要な事後措置を講ずるようにすること。
[水泳プールの管理]
プール水は、衛生的であるか、また、水中に危険物や異常なものがないこと。
遊離残留塩素は、プール使用前及び使用中1時間に1回以上測定し、その濃度は、どの部分でも0.4r/l以上保持されていること。また、1.0r/l以下が望ましい。
透明度に常に留意し、プール水はプール底が明確に見える程度に保たれていること。また、水中には、危険物等異物がなく、安全であること。
プールの附属施設・設備(足洗い、シャワー、腰洗い、洗眼・洗面及びうがい等の施設・設備)及び浄化消毒設備等は、清潔に保たれており、破損や故障がな く適切に使用されていること。
水泳する児童生徒等の健康観察を行うとともに、水泳プールに入る前に、足を洗い、シャワー等によって十分に身体を洗浄した後、入場させること。
なお、腰洗い槽を使用する場合にあっては、高濃度の塩素に対し過敏症などの傾向がある児童生徒等に対しては、使用させず、シャワー等による洗浄で代用させること。
入泳人数、水温、気温、毎時間ごとの遊離残留塩素濃度及び透明度を測定するとともに、消毒剤の使用方法等を記録すること。
衛生管理を行う際には、安全にも留意し、例えば、排水口及び棚の状態など安全についても併せて点検されていること。